「でっけー」の巻
「デッケー音」とは「大きな音」、「デッケー騒ぎを引き起こした」と言えば「程度の甚だしい騒ぎ」という事になる。デッケーは一六〇〇年代後半から始まった関東方言、(次第に中部、関西方面まで広がっているが)デカイの秩父版である。
一六〇〇年代以前のデカイの意味を表す言葉は、イカシ(イカイ)である。本来は「荒々しい・激しい」意味から「度外れた・ひどい」意味になり、更に「大きい・多い」意味も表すようになったもの。
今から二五〇年前の語誌『物類称呼』には「大いなる事を、畿内ではエライと言い、またイカイと言う」とあり、その頃でも関西方面ではデカイとは言わなかったことが分かる。
デカイの成り立ちは、今でも静岡方面に残るデコ・デカと、古来からのイカイが結び付いた話し言葉ではないかと思われる。
デカイがデッケーになるのは、相槌を打つ時のソウカイがソウケーとなるのと同じである。