あなたの疑問にお答えします 小さなお葬式について

「お知らせする範囲」はどこまで?

 小さなお葬式として、家族葬・密葬を選ばれる方が増えてきました。家族葬・密葬とは、外部にはあまりお知らせしないで、内々だけで執り行う葬儀のことです。本来「密葬」とは、後日改めて「本葬」を行う前に近親者で行う葬儀でした。家族葬とは意味が異なっていましたが、現在ではこの二つはほぼ同義に使われています。

 お知らせする「内々」の範囲は、ご親族までなのか、仲の良い友達までなのか、は特に定義されていません。お別れにお越しいただきたい方にお知らせしているのが現在の密葬であり、家族葬です。

 現在は、ご家族の方がそれぞれに考えた家族葬を行っていらっしゃいます。人数でいえば5名かもしれません。30名かもしれません。もっと多くの方が参列されていても家族葬という場合もあるようです。

家族葬・密葬のメリットとデメリット

 家族葬・密葬を行おうか迷われる方も多いようです。一般葬と比べて、それぞれに良いところ、たいへんだなと思うところがありますので、表にまとめてみました。

一般層
費用 規模が大きくなるにつれ費用もかかるが、香典収入(平均7千円)によって負担を軽減できる。
メリット 多くの方に一度にお別れしていただけるため、葬儀後の煩雑さを軽減できる。多くの方から見送られる姿に遺族が励まされる。
デメリット 参列者への気遣いなどで忙しい思いをし、ゆっくりお別れができない場合がある。人数の予測が難しい。
家族葬・密葬
費用 参列者への接待などに関する費用はかからないが、香典収入が少ないため、遺族の持ち出しが多くなる。
メリット 身内だけでゆっくりお別れの時間を過ごせる。
身内だけなので人数を予測しやすく無駄がない。
デメリット 弔問客が自宅へ訪れるため、葬儀後も忙しく過ごさなければならない場合がある。
周囲からの理解が得られない場合がある。

 あえて「〇〇葬」というように決めつけず、「こんなふうに送って差し上げたい」とか、「故人らしい葬儀をしたい」というような気持ちがあれば、どのようなご葬儀でもよいのではないかと思います。家族を取り巻く人たちとの関係性も非常に大切になってきますので、ある程度、理解が得られる方法を考えていきたいものです。

一般葬より費用は安い?

 内々で行う家族葬・密葬のほうが費用はかからない、と一般的には思われているようです。しかし、一概にそうとも言えないのです。費用については伝え方が難しいので、一例として、実際に「むさしの」がお手伝いした二つのお葬儀を比べてみたいと思います。

一般的な葬儀
会葬者(返礼品)150名
基本料金 378,000円
会場、棺など葬儀の基本料
車輛関係 85,370円
病院やご自宅への搬送、火葬場への霊柩車、マイクロバスなど
会葬者への返礼品 551,250円
お茶・お酒など3,500円程度のものを150名分
お料理 420,000円
通夜ぶるまい、火葬場昼食、精進おとしなどでのお料理や飲み物(8,000円×50名分)
葬儀費用合計 1,434,620円
香典による入金 7,000円×150名=1,050,000円
葬儀費用合計 - 香典収入 = 家計からの持ち出し
家計からの持ち出し差額 384,620円
家族葬・密葬
会葬者(家族親戚)20名
基本料金 378,000円
会場、棺など葬儀の基本料
車輛関係 48,620円
少人数のためマイクロバスは使用せず
会葬者への返礼品 36,750円
お茶・お酒など3,500円程度のものを10名分
お料理 168,000円
通夜ぶるまい、火葬場昼食、精進おとしなどでのお料理や飲み物(8,000円×20名分)
葬儀費用合計 631,370円
香典による入金 20,000円×10名=200,000円
葬儀費用合計 - 香典収入 = 家計からの持ち出し
家計からの持ち出し差額 431,370円

お別れしたいと思う方々の気持ちを大切に

 小さなお葬式のトラブルとしては「故人とお別れできなかった方々からのお叱りを受ける」というのが代表的なものです。例えば、親戚には知らせず、家族だけでお見送りをした後に「どうして知らせなかったんだ!」と怒られてしまうのです。また、葬儀後の弔問客が途切れず、対応に疲れてしまうというのも、小さなお式ではよくあることです。

 実は、小さなお葬式にまつわるトラブルのほとんどが「お別れしたかった」という方々の気持ちから生まれてくるもの。小さなお葬式を成功させる一番のポイントは、「お別れしたいと思っている方々を、ないがしろにしない」ということなのです。

考えておくべき二つのこと

 小さなお葬式で考えなければならないことは、大きく二つあります。

 一つが「どなたに参列いただき、どなたに参列をご遠慮いただくのか」という、参列者の選択です。これには多くの皆さんが悩まれています。見送られる故人を中心とした人との関係のなかで、一番近いのは「家族」です。続いて「近い親族・親友」「遠縁の親戚・友人・ご近所」「仕事関係者・家族の友人などの関係者」といった方々になります。このなかから「お知らせする範囲」をどこまでで区切るかを考えることが必要になります。

 もう一つが、「何をしないか」を考えて、お葬式の内容を決めることです。小さなお葬式では、こうしなければならない、という決まりはないからです。ですから、大きなお葬式でなされていることのうち「何を省略するか」を考えることが大切になります。「隣組に手伝いを頼むのか」「訃報を流すのか」「看板は立てるのか」「受付の設備は置くのか」「花輪は受けるのか」「参列者への食事や返礼品はそろえるのか」といったことを、「お知らせする範囲」を決めた後に考えるのがコツです。

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