「のみごて」の巻
四、五人のキャンプの計画で、樽生ビールを持っていく事になり、樽は10ℓか、15ℓかという話題になった。「10ℓだと大瓶で何本だ?」「大瓶は633㎖だから・・」「何でそんな半端なんだ?」実はこれは不景気の中で戦争に突入した政府が、苦し紛れに始めた価格統制と物品税の都合で決めた容量である。「10ℓを瓶で割ると15本とちょっとかな」「だったら、随分飲みごてがあるなぁ」「何だい。その飲みごてってのは」。「飲みごてって、知らねんか。食いごて、飲みごてって言うじゃねぇか」。
同世代でも、方言は知る人、知らない人に分かれる時代になった。これなど比較的分かりやすい言葉なのだが。 食べ物を噛んだときに感じる固さや弾力感を「歯(は)応(ごた)えがある・ない」というが、「飲みごてがある」は「飲み応えがある」という事で、十分に飲む事が出来るという達成感や満足感を言ったものである。