むさしの会館

”たまげらかす”の巻

 タマゲラカスとは、驚かすの秩父言葉。タマゲサセルとオドロカスの合成語かも。タマゲルとは漢字で書けば「魂消える」でタマギエルが約まって、タマゲル。だから古くはタマギルともいい、「魂切る」と書いた。「肝をつぶす」と同様、ビックリして魂が消えてしまうというほどの意味である。だから、ほんとうはちょっと驚いたくらいでは、たまげたことにはならないのである。
『平家物語』(1219頃)には「主上、夜々おびえたまぎらせ給う事あり」という一節がある。「怯え。魂消る」と二語を並べると、急に肝をつぶすほどタマゲていると強調している感じがするが、これは気を失ってしまったという意味なのである。
 近世になると、タマゲルは関東方言と感じられるようになったことは『物類称呼』(1775)に「物に驚くことを、東国にてたまげると云、薩摩にてたまがると云」とあるここからわかる。なお、ブッタマゲタなどという言葉が出現したのは明治以降のことである。

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