その1 金剛杖、かんむり、いろ、とも白髪。これ参列者がつけるんです。
秩父の葬儀では、参列された方が着席すると、全員に "金剛杖" を、男性には "かんむり"を、女性の方には "いろ" と "とも白髪" が配られ、それぞれを身に着けて巡礼のような格好で葬儀に立ち会い、導師(お坊さん)の「引導」が終わるまで身につけ、その後回収します。引導とは三途の川を渡ることを意味していて、『三途の川を渡る〈前〉まではみんなで同じ格好で見送るが、引導が終わり、三途
の川を渡った先からは一人で行ってくださいね』
という意味があるんですよ。
その2 生飯(さばめし)
葬儀の読経が始まると、おもむろにお隣組さんがご飯を一口ずつ配ります。重箱などに入ったご飯を箸で参列している皆さんの手の甲に配り、まるで試食のように食べます。
これは参列した一同で会食して力をつけて旅立ちをするためのものだそうです。
秩父の特徴的な風習でしたが、最近はほとんど見られないようです。
その3 白木のお膳から漆塗りのお膳へ
秩父では、火葬の後の葬儀・告別式が終わると、休憩を挟んで忌明け・初七日法要が行われます。その休憩中に、祭壇に上がっているお膳(枕膳)を朱塗りのお膳(忌明け膳)に交換します。見た事がおありでしょうか?
枕膳は、葬儀までのお膳として使われます。葬儀が終わった後は通常の食事に戻るという意味も含めて朱塗りのお膳に替えるのです。この時点で葬儀前・葬儀後が別れるのです。枕膳はご飯の位置が右側ですが、忌明け膳は通常の方が召し上がるようにご飯が左になっています。
ここで特徴的なのは、ご飯はお代わりができないのでなるべく大盛にして、ご飯の上にはご飯で作った団子を乗せる事です。この団子は、新しい仏様用ではなく、無縁の仏様への食事として供えるものです。なんだかやさしい風習だと思いませんか? |